技術と創造の融合、集合知で日本のAI技術を底上げるDiFunの挑戦

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KEPPLE編集部


AIインフルエンサーの運用・プロデュースを行う株式会社DiFunが、プレシードラウンドにてSkyland Venturesより資金調達を実施したことを明らかにした。

今回の資金調達を基に、AIインフルエンサーのマーケット調査や検証に注力する。

生活になじむAIインフルエンサーの普及を目指す

DiFunは、「テクノロジーの顔をジャックする」というビジョンを掲げ、動画の中で自由に動くことができるAIインフルエンサーの技術開発を行う。

AIインフルエンサーなどのバーチャルヒューマンは、24時間対応や多言語対応のほか、実在の人物と異なり不祥事のリスクがないことから企業による活用が期待される。

初代バーチャルインフルエンサーとして、「Lei」のプロデュースを開始した。今後は最先端のAI技術を取り入れ、キャラクターに人格を与える開発を進める。

Lei
取り組みの一環として、「Virtual Influencer×Hackathon」を開催。AIに関心のある層の参加を募り、Leiにどのような技術を組み込んで開発するのかのアイデアを競う、コンテスト式のAIハッカソンだ。国内のAI業界の活性化と技術力の向上も目的の一つに掲げている。

DiFunが目指すのは、日常生活に溶け込むAIインフルエンサーの開発だ。今後もハッカソンなど、日本におけるAI活用の知見を高め、AI開発に足を踏み入れるきっかけになるような取り組みは定期的に開催する。

今後はAIインフルエンサーの活用方法を模索しながら、2024年にはAIによるガイドサービスなどを市場投入して検証する予定だという。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO リン・カイルン氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

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日本に必要なAI技術の集合知を

―― 創業のきっかけを教えてください。

カイルン氏:元々、個人的にモデルとしてインフルエンサー活動を行う傍ら、エンジニアとしての活動も行っていました。学生時代からものづくりが好きで、大学では理系科目を専攻し、プログラミングは独学で学びました。

当初はSNSアプリ開発を検討しており、投資家との接点を持つ目的でシード起業家向けイベントの「TORYUMON」に参加しました。多くの投資家と話す中で、Skyland Venturesが主催する生成AIに特化したインキュベーションプログラムの「荒波〜ARANAMI〜」にお誘いいただいたことが創業のきっかけです。

私が以前から強く感じていたのは、機械やAIに対しては何かアクションを起こすと、必ず何らかのリアクションがあることです。また、わざわざ人を傷つけたり裏切るという、予測不可能で複雑なことを彼らはしません。人には言えない悩み事の相談や壁打ち練習相手として、機械は一番寄り添ってくれると思います。

こうした思いを背景に、「荒波〜ARANAMI〜」に参加する中で、AIを活用したバーチャルインフルエンサーの領域に大きな可能性を感じ、もっとテクノロジーが浸透する世の中にしたいと思い創業に至りました。

―― ハッカソンの開催には、どのような背景や目的がありますか?

当社のバーチャルインフルエンサーに関する技術開発はもちろんですが、日本のAI業界を活性化し、技術の発展を促進することも目的の一つとして掲げています。

日本はAIに関するエンジニアのレベルが高い一方で、その知見や技術は分散されてしまっています。これでは技術の進展や人材育成が制限されてしまいます。

技術を共有する場を設け、これまでAIに関心のなかった層も参加するきっかけを作ることで、日本全体の技術力を底上げし、世界と戦える国にしていきたいと考えています。まずは第一回ハッカソンとして2023年12月に実施します。

多くの取り組みで世の中に遊びを仕掛ける

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

今回の資金調達のほとんどは、市場ニーズの検証に充てる予定です。バーチャルインフルエンサーの活用方法やニーズの多いマーケットの策定に加え、ハッカソンなどを通した技術開発に関する取り組みも継続します。2024年の春ごろを目安に検証を進めながら、事業の方向性を見出して次回の資金調達に臨む計画です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

今後もハッカソンなどの取り組みは継続して実施を予定しており、半年以内には海外での開催を目指しています。現状では米国やシンガポールを候補として、海外マーケットでどのようにAIインフルエンサーが活用できるのか模索していきます。

2024年1月には、AIインフルエンサーを活用したガイド系のサービスをリリースする予定です。対面でのコミュニケーションができるAIの開発に加えて、すでにプロデュースしているLei以外のバーチャルインフルエンサーも世に出していきます。

AI技術を普及させるには、利便性を追求する単純な技術開発だけではなく、遊びの要素を含めた文化的なアプローチが不可欠です。今後も多くの企画を打ち出しながら、生活レベルに溶け込むAIの活用を模索していくので、ぜひ注目していただければと思います。

株式会社DiFun

株式会社DiFunは、AI(人工知能)インフルエンサーの運用・プロデュースを行う企業。 同社は、AIインフルエンサーの運用・プロデュースを行う。AIインフルエンサーは、24時間対応、多言語対応、不祥事などのリスクがなく、場所に制約されないことなどがメリットだという。同社は、動画の中で自由に動けるAIインフルエンサーの技術開発などを行う。 そのほか同社では、二次元のキャラクターに生成AIを組み込んで、人格を与える開発なども行うという。生成AIとは、大量のデータを学習し、画像や文章、音楽などさまざまな分野で新しいコンテンツを生み出すことができるAI技術。

代表者名リン・カイルン
設立日2023年10月6日
住所東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル2F-C
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