補助金申請の課題を解決、目指すは中小企業DX

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KEPPLE編集部


補助金申請DXサービス「補助金クラウド」を運営する株式会社StaywayがシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ケップルDXファンド、ベクトル、東京大学(UT) 創業者の会、奈良県出身上場経営者の会、上場企業CFO会計士の会、複数の公認会計士事務所、そのほか個人投資家。

今回の資金調達により、金融機関および士業事務所とのアライアンス強化を目指す。

補助金の情報収集・申請を支援

補助金クラウドは、クラウド型の補助金申請DXサービスだ。主に地域金融機関、事業会社、士業・商工会にサービスの導入を促し、間接的に補助金を必要とする中小企業の補助金申請をサポートしている。サービスを利用することで、官公庁や自治体が独自に開示する補助金の情報収集や申請の工数を、大幅に削減することができる。
サービス資料
2022年7月のサービスリリース以降、既に100社を超える事業会社や士業、金融機関が有償でサービスを利用している。今後は補助金DXを進め、令和5年度末には金融機関15社への導入を目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 佐藤 淳氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

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利用の進まない補助金

―― これまで、補助金の申請や利用にはどのような課題がありましたか?

佐藤氏:まず補助金は、中小企業にとってはイニシャルコストを下げ、新しい事業にチャレンジできるメリットがあります。また補助金で一部資金を賄うことができれば、銀行からの融資も受けやすくなる場合もあります。

メリットがある一方で、補助金は各自治体や官公庁などが独自に管理しており、全体で3000種類以上がバラバラに開示されています。そのため補助金を利用しようにも、自社に適している補助金を探すことにかなり手間がかかります。また利用率も低く、中小企業の約30%しか、補助金をうまく使えていないのが現状です。
サービス資料
適切な補助金を見つけたとしても、申請がかなり煩雑で工数もかかってしまいます。経営者が数十時間の時間を割いて、補助金の申請作業を行うのはあまり現実的ではありません。こうした中小企業からの補助金に関する相談を受ける、金融機関や士業も同様の課題を抱えています。金融機関では支援している企業数も多く、必要に応じて本部に問い合わせるなど対応が複雑化するといったことが、全国的に発生しています。

そうした現状から、我々は主に金融機関や士業向けに、補助金クラウドを提供することで、その先にいる全国の中小企業の課題解決も行うことを目指しています。具体的には、自動で適切な補助金をレコメンドしたり、専門家への相談がいつでも可能になります。また、これまで補助金の交付決定から、実際の入金まで約1.5年かかるという問題もありましたが、補助金採択後のお金を先払いすることも大きな特徴です。

サービス資料

―― 補助金クラウドを始めようと思ったきっかけを教えてください。

Staywayの創業前は、公認会計士として日本やアメリカで、企業のIPO支援やM&Aに関する業務を行っていました。IPO支援を行う中で、自分自身も事業を行いたいという気持ちが芽生え、経営コンサルタントとして香港系のファンド勤務の経験を経て、2017年に創業しました。

当時は民泊の流行が始まり、スケーラビリティもあると判断して、民泊領域の旅行価格比較サイトを立ち上げました。そんな中でコロナ禍になり、競争環境の厳しさも考慮して、ピボットを決断しました。実は、民泊旅行の領域で資金繰りをする際に、補助金の申請を試してみたことがあります。思っていたよりも簡単に補助金の利用ができたんです。私はこれまでの公認会計士としての経験から、迷いなく申請をすることができましたが、他の中小企業は必ずしもそうではないことに、その時気づきました。

補助金を利用することで中小企業が資金を得て、より良い事業を行うことにつながるなら、補助金の申請に関わる部分を汎用化して、ソフトウェアとして提供できないかと思ったことが補助金クラウド開発のきっかけです。

すべての中小企業が強みを活かせる世界へ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

金融機関や士業事務所とのアライアンス強化を目的として資金調達を行いました。現在は東京と大阪に拠点がありますが、さらに増やしていく予定です。今後サービスを全国に広く提供していくために、今回の引受先企業と連携して、事業拡大を行っていきたいと考えています。

採用に関しては、公認会計士のようなプロフェッショナル人材が現在4名いますが、10名程度にまで増員する予定です。またカスタマーサクセスの人員も、5名程度の採用を予定しています。

―― 今後の展望を教えてください。

短期的には、補助金DXのマーケットで引き続きサービス提供を行っていきます。現状、クラウドサービスとして補助金DXを行うプレイヤーは少なく、我々が先行しています。既にメガバンク、北海道銀行、北陸銀行、信用金庫、大手保険会社、大手リース会社などで導入されており、令和5年度中には金融機関15社への導入を行い、その先の中小企業を支援していきます。

これらの活動を通じて金融機関、事業会社、士業とのアライアンスをさらに深め、政府や自治体とともに、デジタルを活用し、補助金の制度設計や効果測定等に取り組みます。補助金の構造的に抱える課題を解決することで、あらゆる中小企業が補助金を通じて、公平に成長機会を持てる社会の実現を目指して参ります。加えて、さらには今後は中小企業の資金繰りの課題を解決するため、Fintech領域へも参入します。

また、中長期では2026年ごろのIPOを目指して事業展開を行います。企業ミッションとして「中小企業や地域のポテンシャルを開放する」と掲げているように、補助金DXに限らず中小企業のDXへ取り組みます。すべての中小企業が強みを活かし、さまざまなプロダクトや事業づくりを行える世界観を目指して活動していきたいと考えています。

株式会社Stayway

株式会社Staywayは、宿泊施設同時検索・価格比較サイト『Stayway(ステイウェイ)』や補助金・助成金対応業務支援ツール『補助金クラウド』を運営する企業。 『Stayway』は、日本および世界中の大手宿泊予約サイトの同時検索や価格比較、最安値の検索をすることができるサービス。 同サービスでは、ホテルだけでなく、民泊やマンスリーマンション、シェアハウスなどの検索も可能。 『補助金クラウド』は、補助金等の情報収集の一元化や申請支援業務、融資業務を一貫して支援するサービス。 また同社では、実名トラベラーおよび現地在住者が創る旅行・バケーションメディア『Stayway Media』や補助金・助成金メディア『補助金way』、旅行・観光・飲食事業者に特化したM&A・事業承継マッチングプラットフォーム『M&Away』などの運営も行う。

代表者名佐藤淳
設立日2017年7月7日
住所大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2号大阪駅前第2ビル12-12
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