日本のエンタメビジネスを世界へ、コンテンツの海外展開支援するMinto

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KEPPLE編集部


エンターテインメントビジネスを展開する株式会社Mintoが、NTTドコモ・ベンチャーズからの第三者割当増資による資金調達を実施したことを明らかにした。

今回の資金調達により、ドコモグループと連携した事業拡大を目指す。

「コンテンツ × 新領域」でエンタメビジネスをアップデート

同社は「エンタメビジネスのアップデート」を掲げ、コンテンツ領域で事業展開する企業だ。

企業向けには、SNSを活用したマーケティング支援を行う。漫画などのコンテンツとSNSを組み合わせることで、広告効果を最大化する。企画のプランニングから効果分析まで伴走し、これまでの支援実績は2000件を超える。

支援事例

クリエイター網を活用して企業のSNSマーケティングを支援(画像:Minto提供)


また、企業が持つキャラクターコンテンツなどのIPを、海外市場向けにライセンスを販売してグッズ販売や広告に活用するなど、海外向けのコンテンツ流通も支援している。

2018年からWeb3やメタバース分野の事業も手掛ける。2021年にはフルカラーの縦読み漫画であるWebtoonに特化したスタジオを設立するなど、新たな領域のコンテンツを自社でも積極的に生み出している点も特徴だ。

チャットアプリ向けスタンプのダウンロードは60億いじょう

自社制作のチャットアプリ向けスタンプの総ダウンロード数は60億を超える(画像:Minto提供)


今回の資金調達に際して、代表取締役 水野 和寛氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

クリエイターには「作品発表の場」が足りない

―― コンテンツビジネスの現状や課題について教えてください。

水野氏:日本のエンターテインメントは現在、世界的に注目されています。コロナ禍では動画配信サービスを通じて、コロナ明けでは映画を通じて日本のアニメなどのコンテンツは、世界中に大きく広がっています。

一方で、日本のクリエイターが自身の作品を発表したり、収益化する機会は、まだまだ限られています。漫画一つとっても、大手の出版社に連載してもらえるのはほんの一握りで、そのハードルは非常に高くなっています。

国内クリエイターの課題

(画像:Minto提供)


また、日本のIPやコンテンツは、これまで国内の市場をメインとしていました。海外でのプロモーションなどは、主に現地のパートナー企業に任せていたのです。

海外の市場で収益を高めるには、自社で海外展開の戦略をきちんと立てる必要があります。企業は、良質なコンテンツによる収益機会を取りこぼすことがないようにしなければいけません。

―― 御社はNFTの事業も行っています。

企業やクリエイターがキャラクターコンテンツを制作する際、Web3やNFTなどを活用することはひとつの選択肢になりました。

NFTが登場したことによって、デジタルコンテンツに付加価値をつけてユニークなコンテンツとして販売できるようになりました。2次流通によるクリエイターの収益機会拡大にもつながっています。

一方で、NFTやWeb3は未成熟な分野です。すでに有名なIPやコンテンツを持つ企業の目線では、これらの技術はリスクが大きいと見なされることがあります。保守的な考えも多く、まだ企業がNFTを積極的に活用する事例は多くありませんが、徐々に事業展開も増えています。

スタートアップスカウト

―― 創業のきっかけを教えてください。

Mintoは、私が設立したクオンとwwwaapが経営統合して設立された会社です。クオンの設立まではデコメや絵文字の作成、スマートフォンアプリの開発など、モバイル端末向けのコンテンツ制作に携わっていました。

その中で以前からやりたかったテーマが、「コンテンツをグローバルに展開する」ということです。そこでコンシューマー向けのエンタメビジネスを手掛けるクオンを立ち上げ、主にスタンプでのキャラクター提供を全世界向けに展開していました。

ただ、エンターテインメントのBtoCビジネスはボラティリティが高く、ヒットするかしないかで事業の浮き沈みが大きく変わります。それらの経験から企業と共に事業を作っていくBtoB事業が必要なのだと常々考えるようになりました。

wwwaapは、クリエイターによる漫画制作と広告事業を組み合わせたBtoB事業をメインに行っていました。クオンもwwwaapもお互いBtoCとBtoBで事業モデルは違えど、漫画・アニメ・キャラクターという事業領域は同じです。組み合わせることでよりよいビジネスを生み出せるのではないかと、経営統合してMintoを設立しました。

今後は自社コンテンツ制作に注力

―― 資本業務提携の背景について教えてください。

今後も当社の事業を伸ばしていくにあたり、コンテンツをしっかりと世の中に届けるには、さまざまな事業会社との連携が必要です。

WebtoonやWeb3、メタバースなど新しいエンターテインメントコンテンツに力を入れているNTTドコモとは、多くの共通点や接点があります。これまでも事業連携は進めていましたが、より強い事業シナジーを生み出すために、今回の資本業務提携に至りました。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

これまで、他社との協業や受託を中心に、年間約30本ほどのWebコンテンツを制作してきました。今後は、自社で制作したコンテンツやIPをヒットさせていくことにも注力していきたいと考えています。

また、現在はタイ、ベトナム、中国を主な拠点に海外展開しています。中長期ではアメリカなど、より広範囲にわたるグローバルな流通網の構築を通じて、エンタメビジネスのDXに貢献することが目標です。

当社はこれまで、共に事業に取り組める事業会社との提携を進めてきました。今後も「エンタメビジネスをアップデートする」という当社の考えに共感してくれる方々と連携しながら、事業を成長させていきたいと思います。


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